チームでつくる、感動経営のレシピ(35)『どんな力を身につけてほしいですか?』

もくじ

息子の初一人夜行バス

私の息子は、生まれつき、聴覚に障害をもっています。裸耳では耳元でトランペットが鳴ってもわからないほどの先天性高度難聴です。

その彼が高校生の時、初めて一人で、夜行バスに乗って出かけました。

目的は、全国大会で友だちになった東京の聾学校の後輩や、進学で東京の大学にすすんだ先輩に会うことでした。夜行バスの手配も自分でして、乗り場も自分で確認をしていましたが、出発するときには、私も一緒に乗り場までは行こうかと思うほどでした。

でも当然、そんな幼子でもないわけで、
子離れしなくてはいけないなと思い、
玄関先で見送りました。

 数々の親切

夜行バス乗り場までの道がとてもわかりにくく、教えてもらおうと、通りがかりの女性に声をかけた時は、夜道だったのではじめは警戒されたけれど、地図を見せて尋ねると、親切にその場所まで連れて行ってくれたそうです。

乗り場でのアナウンスは聴こえないので、呼び出されたら教えてほしいと近くの人に頼んで親切にしてもらった話。

後輩とは原宿で待ち合わせして手話カフェにいったこと。先輩は茨城から出てきてくれて、帰りのバスまで送ってくれたこと。

多くの人に親切にしてもらったようでした。

私は信頼できる友人一人だけに、何かあったらお願い、と連絡していました。

その人にも自分で、帰りのバスに乗り込んだ時に、無事にバスに乗れたことを連絡していたようで、成長したなとつくづく思いました。

育てたい大切な力

自分のハンディを受けいれて、必要なサポートを申し出る勇気。

目的をもって自分で調べて実現する力。

お世話になった人にきちんと御礼を言う力。

18歳といえば、いろいろ身につけておかなくてはいけない学力的なものもたくさんあるとは思いますが、生きて行くうえで本当に必要な力はまたそれとは別にあると思います。

仕事でも同じだと思います。専門知識や様々なノウハウは必須でしょうが、社会人として必要な力はほかにもたくさんあります。

そこにも目を向けていきたいですね。

【感動経営のための質問】

「本当に必要な力は何ですか?」

 

この質問を、ぜひご自身に問いかけてみてください。何か気づいたことがあれば、是非、行動にしてみてください。気づくことも大事ですが、行動することがもっと大事です。